EC-CUBEのカスタマイズ、ネットショップ制作メモ

主にEC-CUBEを利用したネットショップの制作、カスタマイズや独自機能の開発について

EC-CUBE4のSEO JSON-LD(構造化データ)を使った商品情報の登録

この記事はEC-CUBE Advent Calendar 2020の記事です。

2020年はGoogleショッピングが無料になったりと、ECのSEO周りでも色々ありました。今日はそんな2020年のECサイトSEOとEC-CUBE4について。

EC-CUBE4とSEO 

EC-CUBE4は正常に進化を続けており、もうすぐ4.1.x系がリリースされようとしています。先日の動向調査でもありましたが、BaseやShopify等のSaaS系のECサイト構築サービスが伸びてきているなか、今だにトップレベルのシェアを誇っています。

www.ec-cube.net

ただ、SEO周りではこの2020年のご時世に「こりゃ必須だろ」という様な機能も標準では実装されておらず、サードパーティープラグインを使う事が多かったりと、まだまだ改良の余地はあります。

特に、サイトマップ生成、商品、カテゴリ毎のMETA TitleDescriptionの設定機能はぜひ標準機能として実装して欲しいところです。

それ以外にも、2系の時にはあったサムネイル画像の生成機能が無くなったので、商品一覧でも標準では大きな画像をロードしてしまい、昨今重要視されているサイトの表示速度に大きな影響を与えています。*1

この辺りはEC-CUBEのコアチームとも何回か話をしているので、そう遠くない未来に導入されることを期待しています。

そんなEC-CUBE4のSEOですが、必須と思う対応に構造化データJSON-LD)の出力というのがあります。

EC-CUBE4の商品情報をJSON-LD形式で出力しよう

以前もこの商品情報の構造化データの話は書いてまして、基本的な事は変わっていません。

eccube.hatenablog.com

ただ、EC-CUBEのバージョンも4になり、schema.orgの情報、Googleが検索に使う情報や書式も変わっており、改めて最新の情報をご紹介します。

Googleはよりユーザフレンドリーな商品情報を求めている

以前と比較して大きく変わった点として、送料情報レビューがあります。

これは、Google検索の検索結果にユーザの所在地までの概算送料、配送日数の表示機能が追加されたこと。詐欺サイトや質の悪いオンラインストアが増えていることからユーザーレビューを重要視していることに由来します。

その他、ブランド、JANコードgtin)など商品のユニークな情報も重視しており、これらの情報をきちんと登録すると、こんな感じでGoogleの検索結果で表示されます。

商品 構造化データ 検索結果表示サンプルGoogle ショッピング 検索結果Google 画像検索 商品表示サンプル

EC-CUBE4で商品情報の構造化データを出力する様にする場合、この送料部分がわかりにくかったので、今日はここをメインに解説します。

JSON-LDをEC-CUBE4で出力するには

Twigテンプレートの、Product/detail.twig を編集します。

detail.twigの{% block javascript %}から始まる部分に<javascript type="application/json-ld">〜</javascript>の形式で記述します。このjson-ldの記述はページ上のどこにあっても問題ありません。

詳しくはGoogleのヘルプを参照してください。

郵便番号から都道府県ごとの送料設定をする

このProductタイプの構造化データには、ShippingDetailsという配送情報の項目があるのですが、EC-CUBEの標準では都道府県単位で複数の送料を設定可能です。全国統一送料なら問題ないのですが、ここを都道府県範囲ごとにどう設定するのかがイマイチわからなかったのですが、ここは配列で複数の配送情報を設定します。

ShippingDetails sample

こんな感じで複数のOfferShippingDetailsの中に配列でpostalCodeRangeを複数設定できます。

都道府県ごとの郵便番号範囲
北海道 001-0000〜009-9999 青森県 030-0000〜039-9999
秋田県 010-0000〜019-9999 岩手県 020-0000〜029-9999
山形県 990-0000〜999-9999 宮城県 980-0000〜989-9999
栃木県 320-0000〜329-9999 福島県 960-0000〜979-9999
群馬県 370-0000〜379-9999 埼玉県 330-0000〜369-9999
茨城県 300-0000〜319-9999 千葉県 260-0000〜299-9999
東京都 100-0000〜209-9999 神奈川県 210-0000〜259-9999
山梨県 400-0000〜409-9999 長野県 380-0000〜399-9999
静岡県 410-0000〜439-9999 愛知県 440-0000〜499-9999
岐阜県 500-0000〜509-9999 三重県 510-0000〜519-9999
福井県 910-0000〜919-9999 石川県 920-0000〜929-9999
富山県 930-0000〜939-9999 新潟県 940-0000〜959-9999
滋賀県 520-0000〜529-9999 大阪府 530-0000〜599-9999
京都府 600-0000〜629-9999 奈良県 630-0000〜639-9999
和歌山県 640-0000〜649-9999 兵庫県 650-0000〜679-9999
鳥取県 680-0000〜689-9999 島根県 690-0000〜699-9999
岡山県 700-0000〜719-9999 広島県 720-0000〜739-9999
山口県 740-0000〜759-9999 香川県 760-0000〜769-9999
徳島県 770-0000〜779-9999 高知県 780-0000〜789-9999
愛媛県 790-0000〜799-9999 福岡県 800-0000〜839-9999
佐賀県 840-0000〜849-9999 長崎県 850-0000〜859-9999
熊本県 860-0000〜869-9999 大分県 870-0000〜879-9999
宮崎県 880-0000〜889-9999 鹿児島県 890-0000〜899-9999
沖縄県 900-0000〜909-9999    

 

これで、Google ショッピング検索で出てきた時に、 配送料金まで表示される様になります。

Googleに掲載 拡張リスティング(無料の方)に出すには必須

Google ショッピングの拡張リスティング、merchant center内では「拡張リスティング」「Googleに掲載」と記載される無料で掲載できるGooogleショッピングに掲載するためには、これらの送料情報など、商品タイプの構造化データとしては必須となっていない項目も必須になります。

 

EC-CUBE4をSEOに強くするためには結構カスタマイズが必要

上記の構造化データもそうですが、EC-CUBE4をSEOに強くし、オーガニックでアクセスを集めるためには、第一にコンテンツ(商品情報)、第二にリンク、第三にこれらの技術的なサイト構造のカスタマイズが必要になってきます。

正直、それぞれのカスタマイズはおまじない程度の効果しか無いのですが、コンテンツ、リンクをできるだけ対応した状態だと、これらのカスタマイズをちゃんとするとしないのでは大きく変わってきます。

実際に、何もしていなかったサイトにある程度SEO周りのカスタマイズを実施したところ、PVが初月でほぼ倍になったりします。

ぜひ、皆様も試してみてください。

 

 

*1:先日webp変換+サムネイル生成カスタマイズとかやってました。